バーコードによる試薬管理

本記事では、バーコードによる試薬管理について解説します。

容器ごとにバーコードを発行するメリット

多くの試薬管理システムでは、容器ごとにバーコードやQRコードを発行することが可能です。 これにより、以下のようなメリットがあります。

  • 容器単位のトレーサビリティ確保:容器単位で誰が/いつ/どの容器を/どれだけ使ったかの履歴が残せるようになります。
  • ミスの防止:手作業による入力ミスや取り違えを防止できます。
  • 業務効率化:手作業では時間がかかっていた入力作業を、バーコードスキャンで迅速に行えるようになります。

バーコードを利用した業務フロー

システムによって異なりますが、バーコードを利用した一般的な業務フローは以下のようになります。

入荷

納品 → バーコード発行 → バーコード貼付 → 容器登録

使用

バーコードスキャン → 出庫 → 使用 → 電子天秤で測定 → 使用量記録 → 返却

棚卸

バーコードスキャン → 電子天秤で測定 → 登録

廃棄

バーコードスキャン → 廃棄処理 → 廃棄登録

容器ごとにバーコードを発行するデメリット

容器ごとにバーコードを発行する場合には、入荷の際にバーコードを貼付する工数が追加で発生します。 入荷が少ない現場であれば問題はありませんが、例えば、1日に100個の容器が入荷する場合、バーコードの貼付だけで1時間以上かかることもあります。 また、バーコードの貼付位置が不適切だったり、結露が発生したりした場合、再度バーコードを貼付し直す必要が出てきます。

容器ごとのトレーサビリティを確保する必要がない場合には、容器ごとにバーコードを発行することは、業務の負担を増やすだけの可能性があります。

メーカーのバーコードを活用した管理

容器ごとのトレーサビリティを確保する必要がない場合、メーカーがラベルに印刷している既存のバーコードを活用する方法があります。 この方法の場合、入荷の際にバーコードを貼付する工数は発生しませんし、ミスの防止や業務効率化の効果は問題なく得られます。

メーカーのバーコードを利用した一般的な業務フローは以下のようになります。

入荷

納品 → バーコードスキャン→ 入荷登録

使用

バーコードスキャン → 出庫 → 使用 → 返却

棚卸

バーコードスキャン → 登録

廃棄

バーコードスキャン → 廃棄処理 → 廃棄登録

メーカーのバーコード

メーカーがラベルに印刷しているバーコードには以下のようなものがあります。

  • JANコード:流通業界で広く使われているバーコードで、事業者(メーカー等)と商品を一意に識別します。
  • GS1-128:医療分野で普及が進んでいるバーコードで、事業者(メーカー等)と商品を一意に識別し、加えてロット番号、有効期限などを含むことができます。
  • GS1 DataMatrix:医療分野で普及が進んでいる2次元コードで、省スペースにGS1-128と同様の情報を格納することができます。

メーカーのバーコードを利用した試薬在庫管理システム

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