無料で使える試薬管理システムの紹介

本記事では、無料で使える試薬管理システムを紹介します。

試薬管理システムとは?

試薬管理システムは、試薬の「在庫」「使用状況」「保管場所」「使用期限」などを一元管理するためのシステムです。

無料で使える試薬管理システム

以前は、手元のパソコンにインストールして使えるタイプの試薬管理システムがフリーソフトとして数多く公開されていました。 しかし、現在では公開を停止していたり、公開していても最新のパソコンでは動作しなかったりすることが多くなっています。

現在主流となっているのは、WEBブラウザを利用するタイプの試薬管理システムです。 オープンソースとして公開されているものもあり、無料で利用することが可能です。 ただし、このタイプを導入するには、自前でサーバーを用意して運用する必要があり、ある程度のITリテラシーが求められます。 サーバーの運用が難しい場合にはクラウド型のサービスを利用することになりますが、多くは有料で提供されています。 一部のサービスでは、機能を限定した無料プランも提供されています。

なお、ほとんどが海外製のために日本語に対応していないものが多いです。 また、試薬管理システム単体ではなく、研究室の業務全般をサポートするための機能の一部として試薬管理機能が提供されているものも多いです。

Chemical Asset Tracker (CAT)

アメリカのサンディア国立研究所が公開するオープンソースの試薬管理システムです。 試薬の保管場所、数量、所有者等を一元管理することができます。バーコードを使用した管理も可能です。 SDS、GHS等の安全・セキュリティ情報への迅速なアクセスも提供します。 ただし、自前でサーバーを用意して運用する必要があり、日本語も非対応です。

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eLabFTW

オープンソースのソフトウェアでライフサイエンス研究に特化し、試薬管理に加えて電子ラボノート、プラスミド・抗体・細胞株等の管理、予約システム等を提供します。 日本語版の提供もあります。ただし、自前でサーバーを用意して運用する必要があります。 自前での運用が難しい場合には、有償のクラウド版も提供されています。

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Open Enventory

オープンソースのソフトウェアで大学の研究室や中小企業を対象に設計されており、試薬管理に加えて電子実験ノートの機能を提供します。 ただし、自前でサーバーを用意して運用する必要があり、日本語も非対応です。

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FindMolecule

クラウド型のサービスで、試薬管理に加えて電子実験ノートの機能を提供します。 化学や生物の研究で利用できるよう設計されており、幅広い研究室で活用可能です。 アカデミック向けに無料プランが用意されていますので、大学の研究室等で20名以下であれば無料で利用可能です。 ただし、日本語には非対応です。

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実際の画面

eLabFTWに関しては、こちらからデモ版を試すことができます。

以下はリソースの一覧表示画面となります。

eLabFTW

eLabFTWのリソース一覧画面

リソースを選択すると詳細が表示されます。 リソースに付加する情報は自由にカスタマイズできますので、 「在庫」「使用状況」「保管場所」「使用期限」等の情報を付加することが可能です。

eLabFTW

eLabFTWのリソース詳細画面

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